船舶・積荷の救助
- 海外での海難事故にも積極的に対応しています。
- 私たちは創業以来120年以上にわたって蓄積してきた経験とノウハウ、高度な技術力に加え、救助船「航洋丸」や飽和潜水装置をはじめ数多くの救助設備をもって、海難救助が必要な万一の事態に常時備えています。当社は海外の多くのサルベージ会社や現地業者との密接な協力関係を維持しており、海外での海難救助にも積極的に対応しています。
Projects
No.1
火災船救助作業
2013年12月29日韓国釜山港沖合でケミカル29,337トンを積載した貨物船は他船と衝突、外板に大破孔が生じ炎上しました。乗組員は総員退船し本船は対馬付近海域で漂流し始めました。本船の漂流を食い止め座礁の危機を回避するため大晦日の12月31日には本船曳航を開始。2014年1月16日には泡消火剤を使用して火災の鎮火に成功しました。一方、本船積荷の一部であったアクリルニトリルは引火性の高い危険な貨物であったため、韓国政府および日本政府との本船受入交渉は難航しました。事故発生以来104日間荒天を避けて洋上を曳航後、4月11日に韓国蔚山(ウルサン)港に入港。4月18日に救助完了に至りました。
No.2
傾斜船救助作業
2010年1月の半ば、台湾の高雄港港外で錨泊していた貨物船は浸水が原因で前方方向に大きく傾斜、一番船艙が水没し沈没の危機に瀕していました。人が立ち続けることさえ困難な状態で果敢にも救助員は昼夜兼行で本船救助に当たりました。環境汚染を防ぐため燃料油をまず抜き取りました。破孔部の防水後、バラストタンクの注排水や送気、そして積荷の瀬取りを行いながら海難救助船「航洋丸」で本船を更に陸側へ曳き込む工程を繰り返し、2月初めには本船を浮揚させることに成功しました。あわや全損、それに伴う大規模な環境汚染を引き起こしかねなかった本船の救助に成功しました。
No.3
座礁船曳き降ろし救助作業
2009年3月13日約1,698トンの紙を積載し台湾の台中南方にて座洲した貨物船の救助作業を海難救助船「航洋丸」を使用して行いました。現場は広大な干潟で小さなタグでは曳引力が足りない一方、大きなタグでは喫水が大きすぎて、本船に近寄れないというジレンマに直面しました。また、砂地での長期の乗り上げは、海底地形の変化による船体強度の減衰をもたらし、最悪の場合、本船折損の原因となります。当社は、全長約3キロメートルに及ぶ曳航索を展張し本船の曳卸し作業を成功裡に完了しました。
No.4
座礁船曳き降ろし作業
2011年3月11日東日本大震災の影響で座礁した巡視船を救助しました。本船は浅所が点在する海域に乗り上げており、曳船にて曳き降ろすための海域が十分に確保できませんでした。よって、多目的作業台船「正国」にチェーンプラー2基(牽引力1基当たり300トン)を設置し、同プラーの牽引力を用いて曳き降ろしました。
No.5
座礁船吊り上げ救助作業
2004年10月20日台風23号により走錨し富山県富山湾岩瀬漁港沖に座礁した帆船の救助作業を行いました。11月24日3,000トン吊起重機船「新寄隆」および1,600トン吊起重機船「神翔」を使用して本船を吊揚げ、そのまま富山港内へ曳入れ後、富山港の新日本海重工業(株)船台へ吊入れて11月29日に救助を無事完了しました。突然来襲する寄りまわり波や長期に降り続いた雨といった自然の脅威に晒されながら、甚大な損傷を被った本船の救助に果敢に挑み、見事本船の救助を成功裡に完了しました。
No.6
衝突船救助作業
2011年12月14日韓国の麗水沖で大型貨物船と大型コンテナ船が衝突しました。大型貨物船には約13万3,000トンの石炭が積載されていました。事故の一報を受け、当社救助員や海難救助船「航洋丸」を始めとする救助船は次々と現場に到着しましたが、関係先や監督官庁との協議や調整に長時間かかりました。また、大破孔を船体に生じ船体強度が著しく低下していた大型貨物船は縦強度の厳格な管理を要しました。その厳格な管理のもと両船の引き離しは行われ、12月30日両船を見事に引き離しました。引き離し作業には、「航洋丸」および現地タグ10隻を使用しました。